ネットボールについて

ネットボールとは

〜ボールをパスのみでつなぎ、敵のゴールへシュートして得点を競うゲーム〜

1890年代い女性向けバスケットボールとしてイギリスで誕生しました。 コートは大きく3つに区切られ、1チーム7名からなるその範囲した動いてはいけないことです。選手は動く範囲を示すゼッケンを付けてプレイします。また、選手同士の激しい接触がないこと、体力や体格に応じてポジションを選ぶことにより老若男女を問わず生涯スポーツとして楽しめます。

近年ではイギリス連邦諸国を中心に70を超える国と地域でプレイされており、競技人口は2000万人を超えています。日本では1990年に、生涯体育が専門の神山雄一郎群馬県立女子大学教授が研究先のオーストラリアから持ち帰り紹介・普及を始めました。1999年から日本選手権が開催され、徐々に競技人口を増やしています。 現在は、東京都および群馬県を中心に普及が促進されており、全日本チームも結成され、アジア大会やアジアユース大会に出場しています。

■ネットボールの目標とは
・ネットボールは、貴族の女性のスポーツとして発展し、女性のリーダーとしての資質を養成すること
・もっとも重要視することは、「皆が楽しむ」ことであり、マナーを守ること

■人間を育てる教育要素①
・【ネットボールの基本精神】は、ルールを守るのは選手自身であり、ルールを守ることが出来ない者は、プレイをする資格がない

■人間を育てる教育要素②
・マナーを守る・・・◯試合開始前に手指の爪の長さをチェック。長い場合はその場で切らせる
・マナーを守る・・・◯ルールに違反した場合、フレイを制限され、違反した場所で起立させられる。
・マナーを守る・・・◯試合終了後が、勝敗に関係なく、お互いの健闘をたたえ合う

■人間を育てる教育要素③
・一人一人のポジションは限られていて、協力し合わなければチームに勝利は導けない
・ポジションによって見方、考え方が変わるので、立場の違いを理解し、相手を思いやるパス回しが必要であることに気付く
・周りをしっかり見て自分の動きを判断しなければならないので、視野を広くする訓練に繋がる

ネットボールの歴史

1891年にアメリカ合衆国で誕生したバスケットボールは1892年にイギリスへ渡り、1895年にバスケットボールのルールを基準に女性向けスポーツとして現在のネットボールの原型となるスポーツが誕生。マダム・オステンバーグス・カレッジで競技が開始された。

その後、イギリス連邦の国と地域を中心に競技人口が増加し1924年にニュージーランドバスケットボール協会(現在のニュージーランドネットボール協会)、1926年に全英ネットボール協会、1927年に全豪女子バスケットボール協会(現在のオーストラリアネットボール協会)、1957年にジャマイカネットボール協会が誕生した。1938年にニュージーランドチームがオーストラリアに遠征し国際試合を開催。しかし試合規定は地域により異なり、国際基準の試合形式は存在していなかった。

1956年にイングランドチームのオーストラリア遠征を期に国際基準のルール作りが提唱され1960年にイングランド、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、西インド諸島、スリランカが集まり国際基準のルール作りの制定と国際連盟の設立を協議し女子バスケットボール・ネットボール国際連盟(現在の国際ネットボール連盟)を設立。

また4年ごとに行われるネットボール世界選手権の開催も決定し、1963年に第1回ネットボール世界選手権がイングランドで開催された。

その後も競技人口は増加し1985年のワールドゲームズロンドン大会に採用され(1993年まで)、1990年に開催されたコモンウェルスゲームズオークランド大会ではデモンストレーションスポーツとして披露され1998年のコモンウェルスゲームズクアラルンプール大会から正式種目に採用された。

ルール(特徴・設備・ポジション・反則)

◆特徴
選手ごとの役割りと動ける範囲が決まっている
基本動作はパスとシュートのみ 
ドリブルは禁止
ボールをもつ選手への身体接触は禁止
ボールをもつ選手から足元90センチ以上離れる
守備側は攻撃側のボールを遮ることで攻撃に転じる(ボールを遮る際の身体接触は禁止)
競技者の年齢に合わせコートの大きさや試合時間、ボールの大きさ等を柔軟に調整できる

◆ポジション
競技者は胸と背に自らのポジションを表記したゼッケンを着用する。ポジション表記は以下の通り。
GS(ゴールシューター)
ゴールサークルを含む攻撃側ゴールサード内を動ける選手。シュートが打てる選手でありチームの点取り屋。
GA(ゴールアタック)
ゴールサークルを含む攻撃側ゴールサード内とセンターサード内を動ける選手。GSと共にシュートが打てる攻撃的な選手。
WA(ウィングアタック)
ゴールサークルを除く攻撃側ゴールサード内とセンターサード内を動ける選手。攻撃的なポジションを担当し前線へボールを供給する選手。
WD(ウィングディフェンス)
ゴールサークルを除く守備側ゴールサード内とセンターサード内を動ける選手。守備的なポジションを担当しながら前線へボールを供給する選手。
GD(ゴールディフェンス)
ゴールサークルを含む守備側ゴールサード内とセンターサード内を動ける選手。GKと連動し守備的なポジションを担当する選手。
GK(ゴールキーパー)
ゴールサークルを含む守備側ゴールサード内を動ける選手。相手攻撃陣のシュートを防ぐ守備の要。

◆反則
オフサイド:ポジション外の選手が他の選手領域へ進入した場合。
オブスタラクション:ボールをもつ選手の足元90センチ以内に近づき守備をしてはいけない。90センチの間隔は、選手間の足の間をコートで測定し測る(体と体の間隔ではない)。
コンタクト:行為的または偶発的を問わず、相手選手の動きを抑える接触をした行為。
トスアップ:反則が同時に起きた場合やボールの権利がどちらに移るのか際どい判定の場合、その事態が起きた地点にて審判によりトスアップされたボールを2人の選手が奪い合う。
ヘルドボール:パスまたはシュートするまでにボールを3秒以上保持した場合。
ショートパス:第3者が入れない距離での2者間同士のパス。
オーバー・ア・サード:どの選手にも触れることなく、コートの1/3以上を超えてボールを投げる行為。

設備と用具

◆設備

ネットボールのコート
ゴールポストはバスケットボールと異なり、バスケットゴールの後ろ側に板(バックボード)が設置されていないリングのみのゴールを使用する
ネットボールコートは屋内、屋外ともに使用可能。バスケットボールコートが使われることもある。 サイドラインは横方向に30.5メートル、バックライン縦方向に15.25メール。コートは3分割され、攻撃側ゴールサード、センターサード、守備側ゴールサードに分けられる。
センターサード(中央コート)の真ん中に、直径0.9メートルのセンターサークルを置く。ゴールサークルは半径4.9メートル。
ゴールポストの高さは3.05メートル、リング内径は38センチメートル。小児向け規格では成人向け規格よりやや小さな規格を採用している。ライン幅は5センチメートル。
ライン上はコート内となる。競技者の年齢に合わせ柔軟に規定変更ができる。

使用するボールは専用球のネットボール5号球(小児向けはネットボール4号球)。ネットボールの普及していない地域ではサッカーボールでの代用も可能。

ウェア(着衣)は上半身はスポーツシャツまたはTシャツ、下半身はネットボールスカートまたはジョギングパンツ(ランニングパンツ)を着用する。
公式試合では競技専用ワンピースを着用する。靴はスポーツシューズまたはジョギングシューズ、専用のネットボールシューズを着用する。
選手のポジションを表記した専用ゼッケン(またはビブス)を着用する。長袖シャツ、ロングパンツは試合時には着用しない。
公式試合を除けば身近に存在する服装で競技に参加できる。